蓮庵と…屑讀と…

1/1
前へ
/23ページ
次へ

蓮庵と…屑讀と…

屑讀の色の白い肌は絹のようで… その小さな身体は壊れそうで… まるで卵か雛に触れるかのように 大切に大切に扱った… そして蓮庵は屑讀の黒髪を 撫でつつ深い眠りについた …カサカサカサカサ…… ……パリパリパリ…… 蓮庵が目覚めると 屑讀が何かをしている 「何をしているんだい」 声をかけると… 「タマゴを産む準備を…」 屑讀が微笑む そして壁に巻かれた糸を籠のようにあみ 「はぁぁ~痛い~」 と一瞬苦しんだかと思うと 玉虫色のタマゴを産んだ それから昼となく夜となく… 交わってはタマゴを産み続けた… 部屋壁一面にタマゴを生み付け 「さぁ蓮庵様最後のタマゴは世継ぎのです」 と微笑み彼女は倒れ込んできた 長く長く幾度も交わっても なかなか終わらないと言うか 終わらせてもらえない 意識が朦朧としてきた…
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23人が本棚に入れています
本棚に追加