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帰還…知らない世界…
天井を見上げると
大きな湖があった…
赤い月が見えた
「さぁ行くぞ」
そう言うと、白虎は僕を背に乗せた
「くっ苦しい 」
水中で僕は、またもや気を失った
気が付くと見慣れた風景が広がる…
しかし何かが変だ…
自分の家に帰ってみたが
誰もいない長老の家にも
他の家にも誰もいない
呆然と立ち尽くす僕に
白虎が静かに言った
「村人はほらあそこだ」
鼻先を見てみたら、
皆体が木になっている
「何なんだ」木に近付く
足取りが重い…ギシっ音が足からしてだんだん固くなる
「僕も木になるのか」
そう言って白虎を見ると
「そうだ命は取られないが
永遠に木として生きる…
しかしおまえが雛の餌になればこの世界も村人も元に戻るがな…」
グルルと咽をならした。
「月を喰らうは月黄泉の王、お前を喰わねば新しい姫は死に絶えるそしたらアチラもコチラもおしまいだ」
僕に何が出来るのだろう…
しかし「ただ喰われるのは嫌だ」と白虎に言うと
「じゃ闘って喰われろ」
また僕をくわえて
白虎は湖にダイブした。
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