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キーンキーン……ガリガリ……
「うぅっ…はぁ…苦しかった…ここは、何処だ?」
青年は周りを見渡した
鍾乳洞には、
無数の鍾乳石が碧く光
眩しい位だ。
……キーンキーンガリガリ……
音のする方に目を向けると
巨大なモグラが鍾乳石を採掘している
「うわぁ~化け物…」
青年が叫んだ
その叫び声にびっくりしたモグラは……
「うぎゃぁぁぁぁぁぁ」と
叫んで鍾乳洞の天井まで飛び上った
ガツン…頭を強打したようだ
「痛いよぅ~ママ」
モグラの泣き声で
鼓膜がやぶれそうだ
「何だよぅ…君、
驚かさないでくれよ」
涙目のモグラの鼻が
青年に近付いて来た
「ん?おかしいなぁ~
男の匂いがするぞっ」
「僕は男ですから
仕方ないですよ」
青年がそう答えると
首を傾げたモグラがポンと手を叩いて
「男っ?本当に……あっ~花婿かぁ花婿なのか?」
「花婿?いや違うとおもいますが…」
青年が言い終わらない内に
肩にひょいとモグラが抱え上げた
「まぁまぁ恥ずかしがらないで」
鍾乳洞を奥へ奥へと進んで行った
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