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愛のたね
そこで拾った小さな種は
僕の深いところに根を下ろす
誰にも気づかれないところで
ひっそりとその命を育む
その芽が成長し蕾を付けるころに
ようやく気づく
君という花が 僕の中にあったことを
そんなことを知らない君は 僕の花に水を遣る
この花が咲いたなら
この花が咲いたのならば
僕は君に この花をあげよう
今はこの花が 開くために水を遣る
沢山あげても足らない水を
もし この花が咲いたら君もこの花に水を与えてくれるかい?
花が枯れないように愛の水を もっともっと溺れるほどに
そこで拾った小さな種に
君の深い愛を与えてよ
ほかの誰でもない
君という種に こっそりと愛を与える
その芽が成長し 蕾を付けるまでに大きくなった
君という一輪の花が僕の中にはある
そんなことも知らない君は 僕の花に水を遣る
この花は咲かないのに
綺麗な花は摘まれるのに
やがて生命(いのち)は枯れるのに
君はただ悪戯に 今もこの鉢に水を遣る
沢山あげても意味ない水を
もうこの鉢には 君の水は入らない
あげてもあげても
涙と一緒に溢れて落ちてしまうんだ
ああ このままじゃ涙で溺れてしまう
今は この水を汲み取って僕を助けてほしい
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