甘い実

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  老人ホームに走ってむかっていると、前方に人影が見えた。 その人影は、紛れもなくガラス玉だ。 僕がガラス玉を見つけたのとほぼ同時にガラス玉も僕に気づいた。 ああ、やっとこれで気持ちを伝えることができる。 そう思って一気にガラス玉との距離を縮めようとした。 でも、ガラス玉は僕が向かっている方向に走り出した。 男と女。 もちろん体力の差がある。 だからすぐに追いつくと思っていたのに追いつかない。 理由は家からずっと走りっぱなしだったからだ。 正直足がだるい。 それでも、ガラス玉を見失わないようにと走り続けた。  
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