甘い実

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  あぁ、やっと言える。 そう思うと体の力が抜けて座り込んでしまった。   「大丈夫!?」   ガラス玉は驚いて僕の前にしゃがんでくれた。 僕はガラス玉が逃げないようにそっと服の裾をつかんだ。 ガラス玉はそれに気付いたようだったが何も言わなかった。   「なんで逃げたんだ?」   僕は疑問を口にした。 まさか逃げられるとは思っていなかったからだ。   「この前のことで怒って私のところに来たのかもって思ったら、つい……」 「ついって……」   それは、ないだろう。と思ったが口に出さないでおく。   「ごめんね。でも、もう一つ理由があるの」   僕は静かにガラス玉の声に耳をかたむける。  
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