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そして、絶対あいつには勝つと意気込んでいた。
近くを僕の片想い中の女の子がすーっと通っていった。ずっと幼馴染みのTちゃんだ。
相手は僕を友達としか思ってないだろう。今日は一緒にはしていないがいつもはドッチボールを男たちと一緒にする活発な女の子だ。家も近所で親同士も仲良く家族ぐるみで友達だ。
そんなすーっと通っていくTちゃんを見てボーっとしていると…バシッと顔面にボールが直撃した…
顔には綺麗にボールの型がダサく残っている…
すぐに当てた張本人が来てごめんと言った…
Yだ。
余計に腹が立った…
それでムシャクシャしながら掃除に入った。
教室にはクラス1地味でクラス1の秀才のHと僕の二人だ。
僕はいつも通り2階の教室のベランダから雲を眺めている。そして秀才のHは一人ほうきをはいている。
ベランダからふと下を見るとYだ。
さっきは顔面に当てやがって…と憎しみが甦り、あいつなんか見たくもないと思いその場を立ち去った。
すると下から叫び声が…
野次馬な僕は一番に下を見ると頭から血を流して頭を押さえながらYが倒れている。
うわぁ~と思ってずっと下を見ていると知らず知らずの間に人が集まってきた。
苦しみながらYが言うには上からハサミが落ちてきたらしい。下の野次馬たちが一斉に上を見ると僕のただ一人だったそうだ。
しかもハサミにはしっかりと僕の名前が書いている。
普通に考えて犯人は僕だろう。
でも僕はやっていない。
どうしようもなく、結局Yは先生と病院へ行き次の授業は自習になった。
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