第14章

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「よう、フェイア」 僕の隣に誰かが座る。 僕はそっちを見た。 「メイス!」 「よっ」 僕の顔は綻んだだろう。 「久しぶりだね!」 「昨日寝る前に声かけようと思ったんだけどさ、なんか知らないおっさんがいたし、その後にはそこの女がいたから、タイミング逃したんだよ」 「そっか。でも、こうやってまた会えて嬉しいよ!」 「俺も。ちゃんとベルを守ってくれてるみたいだしな」 メイスは僕の肩を叩く。 守ってるんじゃなく、守られてる気がするけど……言ったら殴られそうだから止めておこう。 「で、お前はどんくらい強くなったんだよ?」 「僕?」 「そう、お前」 メイスはニヤニヤ笑っている。 「そんなに強くはなってないと思うけど……とりあえず……一応はマスターに……」 僕はどもりながら答える。 マスターという称号に、僕の実力が追いついていない気がするから。 「マスター! まじで! お前すごいんだな!」 「そんなことないよ」 「いや、すげぇよ! てことは、あの人と同じくらい強いんだろ?」 メイスが指差したのはファー。 そういえば、ファーもマスターだった。 「すげぇな!」 「そこまで僕は強くないって」 そう、僕は強くない。 ベルには守られてばかりだし。 マスターといても、まだまだ未熟。 実力的には、アルケミストとなんら変わらないだろう。 ファーになんて追いついてもいない。 だから僕は強くない。 「フェイア?」 メイスが困った表情で僕を見る。 僕は我に戻り、笑って誤魔化す。 「ちょっと考え事してた。そういえば、メイス達はどうしてこの村にいたの?」 僕は話題を変えた。 これ以上、僕に対して変な期待を抱かれたら嫌だから。 多分抱かないとは思うけど。
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