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「ファーには特別な任務を与えていました。最低でも週に1回……連絡はくれていたのですが今は全く連絡がこないのです」
「全く……ですか……?いつから来ないんです!?きっとファーは忙しいだけだ……」
僕は渡された紙を見つめながら言った。
紙にはファーの顔写真とその任務の内容が書かれている。
任務の内容は
『Bランク任務。
北と西の地での不穏な集団についての調査。報告は最低で週1を義務とする。期間は1年。それ以上の時間は与えない。』
そんなに難しい任務だとは思えない。
だからきっと……
「2ヶ月です。2ヶ月……彼女からの連絡がきていないのです」
「2ヶ月だなんて……そんなにファーが連絡をしないわけ……」
「彼女は真面目ですから連絡を怠らないくらい私も分かっています。だからこそ心配なのですよフェイア」
フロージア様が諭すように言う。
僕はうつむき、紙を握りしめた。
ファーの顔が脳裏をよぎり、涙が溢れそうになる。
「なので貴方にも任務を与えます」
僕は顔をあげた。
「任務ですか……?」
「えぇ。任務です。内容はファーの捜索。そしてファーと合流したのち、2人での2年間の旅を命じます」
まっすぐ僕を見つめてフロージア様は言う。僕はポカンと口を開けたままその言葉を聞いていたに違いない。
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