第1章─旅立ちの報せ─

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「なら僕の意見や行動は……国の者としてのものになるの……ですか?」 「そうなりますね。だからこそマスターという力を手に入れてからが大変になるのですよ」 フロージア様はジッと僕を見つめて言った。 僕が不安になっているのが分かったからか、急にいつもの微笑みを僕に向けた。 「きっとフェイアなら大丈夫ですよ。あまり重く考えても仕方がないことですから。あっ、重くしたのは私かしらね」 フロージア様は優しく微笑んだ。 大丈夫と言われたことで少し安心したのか、僕もつられて笑ってしまった。 「さて、さっき貴方の右腕に痛みがあったと思います。そこにはマスターランクを示すタトゥーが描かれたの。これが貴方がマスターということを証明するものになります」 「わかりました」 「では最後の話に移りましょうか」 フロージア様が一枚の紙を取り出した。 「貴方はこれから旅にでて見聞を広め、様々なことを学んでほしいと思います」 「はいっ!」 「けれどちょっと問題があるのですよ……」 フロージア様が指を動かした。 さっき取り出した紙が僕のもとに飛んでくる。 「貴方の師のファリスト……ファーが行方不明なのです」 心臓がドクンと跳ねる。
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