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「僕も一緒に行きたい!」
話を聞いたウェインがすくっと立ち上がり言った。
その目はファーしか映してないようだ。
僕がいろいろ説明してもウェインは僕も行きたいんだの一点張り。
このファーへのいれこみようと言ったら……溜め息しか出てこなくなりそうだ。
とりあえず僕はウェインの肩を掴んで座らせた。
「僕が行くのは任務でなんだ。だからウェインは行けないんだよ」
「ならフロージア様を説得してくる!」
また立ち上がろうとするのを僕は必死に止める。
しかしウェインは僕の手を振り払い、部屋から飛び出してしまった。
残された僕は溜め息をつく。
きっとフロージア様は許可しないだろう。
ウェインがファーをどれだけ尊敬しているか、フロージア様は知っているはずだ。
行かせるつもりなら最初からウェインも呼んでいただろう。
けど呼ばなかった……だからウェインは一緒には行けないだろう。
ウェインが戻ってくるまで待とう。
そう思った僕は立ち上がり、荷物をまとめるため鞄をベッドの下から引っ張り出した。
一年半ぶりに見るこの鞄。
まさかこんなに早くこの鞄を見ることになるとは思わなかった。
あちこちに土や傷がついている。
いらない布で土を落とし、ベッドの上に乗せる。
僕は鞄を開けて、服や本など旅に必要なものを少しずつ詰めていった。
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