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僕とウェインは男子寮から出て女子寮に向かった。
女子寮の入り口にあるベルを押すとピクシーがどこからともなく現れた。
ピクシーは僕の顔の前で止まると口を開いた。
「女子寮のどなたにご用ですか?」
甲高い声でピクシーは聞いてきた。
僕はジュリアンに用があると伝える。
ピクシーは分かりましたというとパッと薄い桃色の煙だけを残し、その場から姿を消した。
数分経ってからピクシーと、息を切らせながら赤い顔したジュリアンが寮から出てきた。
仕事を成し遂げるとピクシーはまたどこかへ消え、寮の前には僕とウェインとジュリアンの3人だけとなった。
「まったく……なんの……用なの……?」
途切れ途切れにジュリアンは聞いた。
僕が話そうとするとウェインが僕の服を引っ張る。
「とりあえずここで話すのは邪魔になるし……図書室に行こうよ」
「そうだね。迷惑になるのは嫌だし移動しようか。ジュリアン行こう」
僕はジュリアンの手を引いた。
ジュリアンは僕の手を振りほどき、さっさと行ってしまう。
僕とウェインは顔を見合わせ肩をすくませると、ジュリアンのあとを追った。
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