第2章─氷の結界─

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時間は刻一刻と迫っていく。 仲良くなった友達にはちゃんと話した。 みんな僕を励ましたり応援してくれる。 中には魔具をくれる友達もいた。 通りかかったドリューがお前なんか魔物にやられればいいんだとか言ってきた。 言うだけ言って去っていくドリュー。 あの憎まれ口をもう聞けなくなるんだと思ったら少し寂しくなった。 僕はベッドに寝転がりながら天井を眺めた。 明日にはもう出発する。 フロージア様に言ってしまったから。 いざ出るとなるともっとここに居たくなった。 別れたくないって思いが強いからかな。 すごく寂しいんだ。 今度は一人で行かなくちゃならないし。 不安なのもあるのかもしれない。 そんな僕の感情を察したのか、ウェインが僕の隣に腰掛けた。 「明日行っちゃうんだね」 「うん……」 「また一人部屋になるのかぁ」 「そうだね……」 「……フェイア」 「何……?」 「もっと元気出してよね。寂しいのはフェイアだけじゃないんだからさ」 ウェインが僕の頭を小突く。 「みんな寂しいんだから」 「うん……」 「それに……」 「それに……?」 僕は起き上がりウェインを見た。
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