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「それに……フェイアが暗いと気持ち悪い!!」
「……はぁ!?」
「だって気持ち悪いんだもん!!」
「なっ……それが別れを悲しんでる友達にいうことか!?」
「だってぇ!」
「だってじゃねぇ!」
僕は後ろからウェインの首をしめる。
ウェインが僕の腕を叩いた。
それがギブのサインということは知っていたから、僕はウェインを離す。
ウェインは軽くせき込みながら僕を見た。
「それくらい元気なほうがフェイアらしいよ。それにさ、笑って別れたいでしょ?」
ウェインがはにかみながら笑う。
いつの間にかウェインのペースになっていた。
僕はベッドに倒れ込み笑い出す。
ウェインも僕の隣に倒れて笑い出した。
「そうだな。永遠の別れでもないしな。笑ってる方が僕らしいね」
「フェイアはそうでなくちゃ!」
僕達は顔を見合わせ、また笑い出す。
寂しさが一気に吹き飛んだ。
明るく別れよう。
また会えるんだから。
さっさとファーを見つけて、ここに帰ってくるんだ。
難しい任務じゃない。
きっとすぐ見つかる。
見つけてみせる。
ウェインは笑い疲れて寝てしまったらしい。
笑顔のまま寝息をたてている。
僕はウェインをベッドに運び、毛布をかけた。
それから荷物を確認して僕もベッドに横になる。
そして目を閉じた。
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