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少女は扉を閉めると柱によしかかった。
心臓に手を当て、浅く呼吸をしている。
呼吸を整え深く息をすうと、少女は背筋を伸ばし歩き出した。
「貴女に務まるのかしら、そんな大役」
「シルビア……何の用?」
ローブのフードを深く被った女性が柱の影から出てきた。
女性は柱によしかかると、腕を組み少女を見つめる。
「別に用なんてないわ。ただ貴女みたいな子供が計画を実行出来るのかしらと思ってね」
「そんな心配されるなんて……私も甘くみられたものね」
少女はシルビアを通り過ぎようとしたがシルビアが杖を取り出し、少女の前に突き出した。
「私は貴女の下につくなんて嫌ですわ。子供に仕えるなんて私の名の恥になるもの」
「私の言葉はご主人様の言葉よ? それでも?」
「それでもよ」
シルビアはすぐに答えた。
少女がシルビアを見つめる。
「だいたいなんでこんな子供をご主人様が信用なさるのかが分からないわ」
シルビアの言葉には怒りが感じられる。
少女はクスリと笑うとシルビアの杖を掴んだ。
「私のほうが実力があるからでしょう? 文句があるならご主人様に言ったらどうなの。ねぇ、お・ば・さ・ま?」
「私はまだおばさんじゃないわよ!」
シルビアは少女の手を振り払い、杖の先を少女の顔に向けた。
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