小心者ですから…

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先日、弟が免許を取ってきた。そこで初めてのドライブにつきあわされ、俺は弟の運転するワゴンに無理やり乗せられた。 どうやら両親は、俺の命がなくなってもいいらしい。 しばらく走っていると、俺の命はまだあるのに、ガソリンがなくなってきた。 「お、おい、ガソリンないからあそこのガソリンスタンド入れよ。」 俺は恐くて震えていたが、弟はガチガチに固まっていた。 「えっ!?ガソリンスタンド!?いきなりハイレベルなことを…」 と言いつつも、なんとかガソリンスタンドに車を入れることに成功。 車が止まったとたんに強気になる弟。 「いらっしゃいませー!」 「あ、ガソリン入れて。」 なんだ、そのベテランぶった偉そうな態度は。さっきまで固まってたくせに。見栄っぱりな弟は、どうやら初心者と思われたくないらしい。 「灰皿は大丈夫ですか?」 「あ、大丈夫。壊れてません。」 「あ…そ、そうですか‥。レギュラーっすか?ハイオクですか?」 すると、弟はちょっと迷ってこう答えた。 「あー、適当にブレンドしといて下さい」
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