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「撃ち方、待て!」
艦内のあちこちから凱歌が挙がっていた。
しかし、十機程の編隊が我が軍の弾幕をものともせずに向かって来るではないか!
「右九十度!爆撃機編隊!撃ち方はじめ!」
「てェーッ!」
電測長の大倉上曹は以心伝心で残った敵機にすかさず照準を付けており、間髪を入れずに発砲する事が出来たのである。
ドンドンドン―
それまでうるさく感じていた発砲音が、今では小気味良いリズムを奏でる太鼓の様に聞こえて来ていた。
「敵機!爆弾倉を開けました!」
測距儀員の伊藤二曹が悲痛な声で叫んでいたのだ。
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