第3章 ―激戦の南太平洋―

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なんと、旗艦摩周が右に回頭しているではないか! 俺は百発余りの、二百五十kgと思われる爆弾が迫り来る大空を再び顧みて、その落下経路を目で追い摩周がそれから逃れるよう天に祈った。 刹那!爆弾が海面で炸裂し始め無数の水柱が上がり、水煙で摩周や他の艦も見えなくなった次の瞬間! 水煙の向こう側の明らかに海面より上で、爆発が起こったのが見えたのだ。 二、三秒程して金属がぶつかり合う爆発音が聞こえ水煙が収まった海上には黒煙を吐く、旗艦摩周の姿があったのである。 「クッソーッ!やられたかッ!」 「撃ち方辞め!」
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