合宿で

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皆で眠りに就こうとしていたときにまたも怪奇現象にみまわれた。 その時私しか起きてるひとがいなくて凄く怖かったのを覚えている。 まず廊下から鈴の音色が聞こえてきた。 その音は確実にこっちに近づいて来ていた。 足音はなく鈴の音色だけが響く。 そしてついに私たちの眠る扉の前まできた。 音はピタリとなりやみ扉を挟んだ向こう側にいるのがわかる。 すると天井から石を投げ入れるかのような音がした。 何度かそんな音が繰り返され、音が止まった瞬間に、お経が聞こえてきた。 耳につく音ではあったのに、何故か安心して次の瞬間には寝ていたみたいだった。 そして夜の怪奇現象を友人や先輩方に話したが、誰も気付かなかったらしい。 私だけ、そう私だけが気付いてしまった事実なのだ。 そうして今年の合宿は幕を閉じるのだった。 .
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