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今、僕は静まりかけた夕日を背に歩いている。
だが隣には誰もいない。
―――僕は独りだ。
――そう。目的地なんてないんだ。
ただ進んでいる。それだけ――――。
――何かが当たった。
振り向いてもなにも見えない。
痛い。
誰だろう。こんな酷い事をするのは―――。
なんで僕はこんな痛い思いをしなければならないんだろう。
でも僕は行く。たとえどんなに嫌われても、孤独になっても―――。
『週末の大通りを黒猫が歩く。
ご自慢の鍵尻尾を水平に威風堂々と。
その姿から猫は忌み嫌われていた。
闇に溶けるその体めがけて石を投げられた―――』
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