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秋の夕日…枯れ葉舞う季節の中で、
いつもながら一人秋空を眺めていた…
毎日違う雲を眺め私は話す…
雲よ、君は何処へいくのかい?…
すると雲は答えた…
『あの山の向こうまでだよ…と』
私は雲に訪ねた、ならば伝えて欲しい、あの山の向こうにいる大切な人に『私はここにいると…』雲は答えた…
『君は何処泣いているのかい?』
私は雲に全てを話した、愛する人を失った悲しみに生きがいを失い…でも忘れきれずただ泣いてばかりだと…
雲は静かに流れを止めて私に話した…
『だから毎日空を眺めて泣いていたんだね』
雲は私に『解ったよ、私は君に何をしてあげたらいいかい?』
私は答えた…
私の大切な人に伝えて欲しい…君と過ごした日々が幸せだったと…
雲は私に答えた…
『愛していたんだね…』その言葉に私の目から涙がこぼれ落ちる…
雲は私に『思いっきり泣いていいんだよ…君の大切な人への気持ちは必ず伝えるよ』
私は崩れるように泣き叫んだ…
すると雲は私に、
『君の為に少しばかりのプレゼントをするよ、』と、雲は私の為に隙間をつくり、その隙間から暖かい光が差し込んだ…
私はその暖かい光にほんの少しの幸せを感じた…そして雲は、『辛くてどうしょうもなく悲しい時はいつでも空を眺めてごらん、世界中の雲たちが君の為に暖かい光を照らしてあげるから…』
『いつの日か君の笑顔がでるように私達はいつでもいるからね…』と、雲は私にそう言いながら『君の大切な人への気持ちは必ず伝えるよ…』と、山の向こうへと去っていった…
私はその流れ逝く雲に心から『ありがとう』と叫んだ…ただ『ありがとう』と…
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