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帰宅した後もまだ彼女は不思議な気持ちだった。   彼女は買ったばかりの鏡を取り出ししげしげと眺めた。   鏡は年代物のせいか銀の縁はところどころ傷がついていたが蛇の目の部分のカラーストーンは妖しく輝き、鏡面の部分は何も映らないものの、曇りひとつなかった。   彼女は鏡をじっと見つめる ― 本当に願いなんてかなうのかしら…   少しの時間が流れた。鏡は相変わらず曇ったままで何も起こった感じはなかった。   ― やっぱり…ね、無駄遣いしちゃったな。  
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