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そして今、彼らは再び目を覚ました。
門が開こうとしている。
数千万体に及ぶ影達は一斉に顔を上げ、咆吼した。
早く出たい。人間を殺したい。
容赦はしない。人間の悲鳴を浴びるのが好きだ。
魂から突き上げるような幾千万の絶叫が空間に高く谺した。
そして門扉はゆっくりその口を開き始めた。閉ざされていた空間に、千年ぶりの光が注がれる。
――時が来た。
光を浴びて、数千万体に及ぶ影が一斉に翻った。
――そうはさせない。
光の中に武器を構えた男女が数百人姿を現した。
光に向かい突き進む影、影を止めるべく立ちはだかる者達。
鋭く輝く刃が、風を裂くように影に振り下ろされた。
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