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①思いっ切りうろたえる。
②とりあえず頬(ほお)を抓(つね)る。
③もう一度寝る。
この三択(さんたく)なら絶対に③だよな?
うん、これは夢だ。
もう一度寝直そう。
いつもよりも薄い布団を頭から被(かぶ)りもう一度夢の世界へと旅立とうとすると背後から声をかけられた。
「あの~寝直さないでくれませんか?」
……誰かいる…?
ゆっくりと布団から頭を出して声をかけられた方へと顔を向けるとそこには見た事のない男が居た。
「………誰…?」
思いっ切り不審(ふしん)な目を向けるとその男はホッとした様に笑顔を浮かべた。
「初めて、ボクはハリヤ・リレロって言います。」
ペコリと会釈(えしゃく)する男はどう見ても好青年(こうせいねん)。
だけど格好(かっこう)がゲームに出て来る魔法使いの様な格好(かっこう)をしているし、髪の色も緑色だなんて有り得ないだろ?
………コスプレか…?
ますます不審(ふしん)な目を向けるとハリヤとか言う男は眉間(みけん)に皺(しわ)を寄せながら、首を傾(かし)げた。
「あの、何処(どこ)か具合(ぐあい)が悪いんですか?え~と……お名前何でしたっけ?」
「え…ああ俺は有本尚之(ありもとなおゆき)。ついでに言うと具合(ぐあい)は悪くないよ。」
しいて言うなら大混乱してるぐらいなんだけどね。
「そうですか。それなら良かった。召喚(しょうかん)した対象(たいしょう)がそのまま倒(たお)れでもしたらどうしようかと思いましたよ。」
「は??」
ハリヤの言葉を聞いて俺はますます大混乱。
今、確かにRPGっぽい事をさらりと言わなかったか?!
「…あのさ、今“召喚”(しょうかん)とか言わなかったか?」
「はい、言いましたよ。」
ニコニコと全開(ぜんかい)の笑顔のハリヤに少しイラッとしたがそれどころではない。
召喚(しょうかん)したと言う事が本当なら俺は一体何の為(ため)に呼(よ)ばれたのか?
うわーまさにRPGーじゃないかっ!!
実はちょっと憧(あこが)れてたりするんだよ!
でもまさか自分にもこんな夢みたいな事が起こるなんて思ってもみなかったよ。
「あの~本当は具合(ぐあい)悪いんじゃ…?」
あ、しまった。
あまりの事に大興奮(だいこうふん)し過(す)ぎてコイツの事すっかり忘れてた。
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