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「いや、ホントにどこも悪くないから。
それよりも聞かせてくれないか?
俺を呼んだ理由を?」
正統派主人公ってこんな感じだよな?
正義の味方っぽくてちょっとカッコ良くね?
「え?理由ですか?」
参ったなぁと頭を掻くと少し言いにくそうに口を開いた。
「課題の為です。」
「そうか、課題の為か……。」
うん?課題?
今課題って言ったか?
「……冗談言うなよ?」
「いいえ本当に課題の為です。」
課題…?課題ってお前…。
ボカッ!!!
「俺は教材かーッ!!」
「ごめんなさーいっ!!」
怒りのあまりハリヤの脳天を思いっ切りど突いた。
課題って…課題って…何だよその理由っ!!
スッゴイ期待したのに『課題の為』に召喚された俺ってスッゲェカッコ悪くねぇか…?
はぁ…もう情けないやらなんやらかんやら…。
がっくりと肩を落とした俺の背後をウロウロオロオロするハリヤ。
なんかホントイラッと来る…。
もう一回殴っとこうかな…。
「……おい、課題とやらはもう成功したんだから良いだろ?」
「はい!大成功ですよ!!本当は異世界の物質なら何でも良かったんですけど初めての召喚術で人間を召喚する事が出来たなんて夢みたいです!!」
さっきまでオロオロしていた姿とは一遍してハリヤはキラキラと目を輝かせ大興奮して話し出した。
いや、ホントイラッとするなぁコイツ。
「……で、俺もう帰って良いんだろ?」
「え?駄目ですよ。」
……駄目って言ったか?
コイツ駄目って言ったか??
思わず手を出しそうになった気持ちをぐっと堪えてその理由を聞いてみる。
「なんで帰っちゃ駄目なんだ?」
「まだ課題物を提出していないからです。」
「あ~、そうだよな~課題は提出しないといけないからなぁ~……………って、ふ・ざ・け・ん・な・っ!!」
グーで脳天を思い切りグリグリしてやるとハリヤは痛がりジタバタと抵抗を見せた。
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