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「…嘘(うそ)…だろ?」
確認する様にもう一度ハリヤに尋(たず)ねると肩を窄(すぼ)ませ「すみません」と言うだけだった。
もう何が何だか訳が分からない。
またもや大混乱な俺とは別に頭が真っ白になるってこーゆー状態なのかと嫌に冷静な人格の俺がいる様だった。
『まさかずっとこの世界にいる事になるんじゃないのか?』
その科白(せりふ)がふと横切った時、頭を鈍器(どんき)で殴られる様な衝撃(しょうげき)に襲(おそ)われた。
『何も知らない世界に……?』
「あの…尚之さん…?」
急に声を掛(か)けられて俺の肩がビクリと跳(は)ねた。
「…………。」
何か言おうとしたが俺の口からは何の言葉も出て来ない。
妙(みょう)な空気が流れる…。
その空気を察知(さっち)してかハリヤもなかなか口を動かす事なく黙り込んだ。
ふと下げた視線の先に魔方陣(まほうじん)らしきものを見付けた。
………なんかおかしくないか…?
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