第四十一章 一人

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『そんなっ――』 「強がっても無駄だ。性格が違っても俺はお前だ、そして又お前も俺だ」  ――俺はお前だ、そして又お前も俺だ――  最初の一人睨めっこの時、お前が言った台詞だぞ。 『……じゃあお前、体くれるのかよ?』 「いや、やらない」 『!? 何で……』 「俺の体を手に入れても、お前は一人のままだよ」  淳や真奈美がこいつに親しくする訳が無い。  俺は――決めた。 「真奈美……」  俺は、真奈美から貰ったペンダントを外した。 「俺も、真奈美が好きだ」  そう言って俺は外したペンダントを真奈美の首に付けた。  そして俺は真奈美を抱き寄せた。 『!?!?』  そのまま――真奈美と唇を重ねた。  キスの味は甘酸っぱいとか言うけど、今の俺にはそんな事全く分からなかった。  唇を離すと、顔を真っ赤にした真奈美が居た。  俺だって、恥ずかしかったよ……。
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