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真っ赤な古いオートバイだった。
時代に反発し、現役のままの状態を保ち静かに眠ってたのだろうか…
メッキがサビに腐食されながらも光沢の輝きをなんとか保ち続けていた。
「BSA…、もうとっくに滅んだバイクメーカーがなんで…」
じっくりと眺めると、青年はふと気づいた、シートがしっかりロックしてなく、何か挟まっている。
シートを上げると、古い日記帳と思われる物が挟まれていた、手に取りページを巡る。
すると写真が落ちて来た
写真を手に取ってみる。
バイクに跨った青年が笑顔でポーズを決めてる写真、海で仲間と思われる人達とのショット、知らない女性、赤いバイクの写真、レストランのような場所のスナップ
それは、若かった頃の父親と思われる、写真だった。
そして日記は若かった頃の父親が書いたのだろうか?
青年の父親は物心つく頃に事故で死んだ。
父親との思い出が何もない青年に父親が残したものはあるかと、学校の長期休暇を利用し国内を旅していたのだった。
父の田舎には数えたくらいしか行ったことがなかった。
幼い頃の記憶を頼りで、道を辿り偶然、見つけたのだった。今は遠い親戚のおば住んでいるが、家屋の老朽が激しく、少し離れた先に住んでいる。
何年ぶりに顔を出した、おばは思わぬ客に大喜びだった。
旅のこと、父親についてを語るとおばは、父親の田舎の家の鍵を渡してくれた。
そんなことがありながら青年は赤いバイクの目の前に立たずんでる。
さてこの日記、どういうことが書いてあるのか、読んでみることにする…
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