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…桟橋の横に、貨物船が停泊している、大きさはどのくらいあるのだろうか、その貨物船の甲板の上に一人の青年がねっころがっていた。
髪を、グリスでまとい、前髪を上げていたが、潮風と貨物船の荷物の汚れで髪には無数のホコリがついていた。
白い無地のタンクトップにところどころが擦りきれたジーンズ、裾は自分で加工したのか、すごく細くしてあった。
靴は、ボロボロのシューズあまり、品の良い恰好とはいえない。
青年は仰向けになると、尻ポケットから、ライターとタバコをとると、深呼吸をするように深く吸った。
「おい、小僧なにサボってやがる、んなことしてると給料払わねえぞ」
ふと、後ろを見ると、ここの船の雇主が立っている。
「…見てのとうり、休憩ですが、なにか??」
「このガキ、自分の過ちも分からないのか、早く働け」
「俺はこのとうりの者なんで何もわかりません」
「ワーキングクラスめ…」
雇主は小さくつぶやくと怒りながら帰って行った。
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