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小汚い少年はロッカーズへ
沿岸沿いをしばらく走ると右と左に別れ道がある。
青年は右に曲がりミッドレーク市街へ走って行った。
川にそって走るこの道はところどころが舗装されてなく路面が不安定だ、うっかりしてしまうとすぐバウンドしてどっかにぶっとんでしまう。
この間もロッカーズのT100が、事故って一発廃車になったらしい。
乗り手は誰だったか…?
川沿いをのんびり走ると、小さいボートが浮いているのをいくつもみる。
船を見ると子供たちが遊んでいた。
バイクの音がすると、遊ぶのを辞め、子供達はじっと青年のことをみていた。
その中の一人に見覚えがある顔がある
「ゴーディーおかえりー」
よく見るとワンブロック先に住んでる近所のパーシーだった。
俺は微笑して、左手をあげチャーチル首相の真似をすると、子供達は爆笑していた。
4、5分も走ると、交差点があって左へ曲がるとミッドレーク公営住宅裏に出る。
もうすぐ夕飯の時間なのだろうか、飯の匂いがした。
思いだすと、昼飯は船員からもらった缶詰だけだった。
「あぁ~、ちくしょう、腹減ったなぁ、食い物…
おりゃもうダメだ…」
青年は速度を18マイルに落としのんびりと駆け抜けて行った。
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