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洗礼~ファーストラン
青年は嬉しさを表に表しながら、全速力で駆けていった。
顔には円満の笑顔があふれ青年は商店街のブロードウェイを1ヤード10秒で駆けていった。
紙袋一杯にフードを詰め、両手には大量の酒を持っていたが青年は重さなどとうに忘れていた。
ジムの店に戻ると、店の前にはBSAが止めてあり二人があれこれ話しいる。
「帰ってきたな、ゴーディさぁ、洗礼だ!
酒買ってきたろ!
一番上等な奴持ってこい!」
青年は一番高価なシャンパンを持ってきた。
「昔はな、船を作ったとき、洗礼と船の神様を祭るために、船頭にワインをあてて悪魔払いをしたのさ、この船が安全に航海出来るようになと、まぁ俺らはレース前にいつもワインじゃなくてシャンパンをかけて祈ってたんだ、不思議なことに故障はあったんだが、誰一人大事故を起こす奴はいなかったよ。
お前の知ってるとおり、シャンパンってのはレースのあと普通優勝した後、やるもんだろ?
変だろ?
お前のBSAも神様に守って貰わなきゃな!」
と言って、青年にシャンパンを渡した。
「さぁゴーディ、栓を開けな!そいつをBSAにぶっかけろ!
派手にな!」
青年は思いきりぶっかけた。
BSAにかかるとかキレイに流れ落ちてタンクは光っていた。
「ようし、エンジンかけろ!
一回で駆けなきゃ男じゃないぞ!」
青年は左足をキックペダルに落ち着けると、全身の体重をかけキックペダルをおとした。
低い乾いた音とともに、安定したアイドリングが聞こえる。
フレームを振動が辿り、フロントフォークが上下微動に震えていた。
「ミッションはツエンダップと違うからな、右チェンジの4速度だ!
ジョッキシフトもついてないから高速時は相当安定するぞ!
さぁギアをいれな!
ボトムニュートラルだから、乗りやすいぞ!
このタコメーターで、だいたい4500回転でシフトチェンジしな!」
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