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さて…その後自室へいそいそと戻った三成は静かに読書をし、いつもと同じように夕飯を食べ、湯浴みをし、床に就いた。
夜中に何やら騒がしい声が城中に響き渡っていたが、あまり気にしないようにして、三成は眠ることを優先した。
……翌朝。
三成は朝飯を食べようと昨日と同じ部屋に向かった。
襖を開け、部屋を見た三成は、一瞬“大惨事でも起きたのではないか?”と思ってしまった。
部屋の隅には酔い潰れて倒れている兼続、幸村、左近の姿が…。
「左近!一体何があったのだ!」
三成は一番まともに口を利けそうな左近の傍に行くと、乱暴に揺さ振った。
「…殿、大きい声を出さないで、揺さ振らないでください…!」
「すまぬ。…だが、この分だて三人とも二日酔いだな。」
とりあえず三成は左近を揺さ振るのを止めると、侍女達に部屋の片付けをするよう命じた。
「それで左近、昨夜何があたのだ?」
「見ればわかるでしょう。この二人の酒宴に巻き込まれてみんな泥酔してしまったんですよ。」
三成は潰れた三人の酔いを醒まそうと愛用の鉄扇で仰ぎながら話を聞くことにした。
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