佐和山の正月宴会

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…左近の話によると…   昨日兼続に言われて酒を取りに行った左近は、部屋に戻ってきた時…   「お、来たな。さぁ、島殿も共に呑もうではないか!」 「それはいい考えですね♪三成殿がいなくなって、二人でどうしようか話していたところなんですよ。」   と、半ば強引に酒宴に参加させられらしい。 その後夜中まで三人は酒を呑み、義を語り合ったのだと言う。 …最も、義を熱く語っていたのは兼続だけだったが…。   幸村はもともとあまり酒に強くないのか、一番始めに酔い潰れて眠ってしまい、結果左近が兼続の“義語り”に延々と付き合わされてしまったのだという。     「あの時ばかりは自分が酒豪なのを恨みましたよ。」 「…………。」   左近の話を聞き終えた三成は、心底“早々に部屋に戻って良かった”と思ったのだった。     この数時間後、まだ二日酔いが残る兼続と幸村は、昨日と今日の分の仕事が溜まっていることを思い出し、頭痛を堪えながら自分の屋敷に帰っていった。
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