家 ie

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いってらっしゃいのキスとおかえりのキスは日常茶飯事。これ位のスキンシップは慣れたものだ。 ちなみに説明しておくと、私の父の名は神山鏡莉(KamiyamaKyouri)。今をときめくハリウッドスターだ。 父が出演した映画は馬鹿みたいにヒットし、お陰でまともに街を歩けない有名人。 そして母、神山蓮華(KamiyamaHasuka)も同じく女優をやっている。 美男美女の二人が夫婦になったとの報道には全米が涙した!…らしい。 二人の間に生まれたのが私、神山蓮仁なのだが、全くもって才能等を受け継ぐ事は無かった。 容姿淡麗でもないし、勉強もできないし、おまけに成長しないし。 …本当にこの二人の娘なのかとたまに思う。 夕飯は結局父さんが作り、食卓についた。 美味しいと思いながらも言いたい事があるので二人の顔を見た。 「でねっ、……蓮ちゃん?」 「…?」 もしかしたら怒られるかもしれない。 「ねぇ、無理して私に合わせなくていいよ。 仕事、本当は大変なんでしょ?」 「え…?」 本当は嬉しい。 朝食を一緒に食べて、いってらっしゃいって言われて。 父さん達は私を見送ってから急いで仕事に行って、私を出迎える為に早く帰って来ておかえりって言ってくれる
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