一章 三成と団子の出会い

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城下には色々な市があった。 小物、織物、食べ物などその数はかなり多く、三成は城下がこんなに賑わっているなど今まで知らなかった。   「どうです?結構賑わってるでしょう?」 三成の心境を察したのか、左近が口を開く。   「そ、そんなことはないぞ!これくらい知っていた。」 三成は左近の言葉を肯定するのが悔しくて、虚勢を張って否定した。   そんな素直じゃない自分の主に、左近は密かに苦笑した。 “そんなことはない”と言いつつ、市を物珍しそうに眺める三成は、左近のそんな様子には気付かなかった。
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