一章 三成と団子の出会い

5/7
前へ
/48ページ
次へ
「いらっしゃいませ。美味しい団子をたくさん売ってますよ。」   三成と左近が団子屋の前に立つなり、店番の女性は声をかけてきた。 その女性の言う通り、店にはたくさんの団子が置いてあった。   そのずらりと並んだ団子を見て、三成は目を輝かせた。   『左近!こんなに団子があるぞっ!』   『ま、まぁ団子屋ですからねえ。』   『当たり前のことを言うなっ!…それよりも左近、この団子全部欲しい。』   『何言ってるんですか!?…殿、買ってあげますけど、全部はダメです。一つだけです。』   お互いの身分がばれないように小言で喋っている三成と左近を、店番の女性は不思議そうに見ていたが……   「あの…どの団子をお求めになりますか?」 と、おずおずと二人に話し掛けた。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

100人が本棚に入れています
本棚に追加