二章 三成と団子の行方

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「じゃあ殿、買った団子はしっかり食糧庫に保管しておきますからね。食べたくなったら左近に言ってくださいよ?」   「ああ、わかった。」   団子を買った後、城に戻った三成と左近はそんな会話をしていた。 三成は今仕事中だが、心の中では“いつあの団子を食べようか”などと呑気なことを考えている。   (あの団子はやはり今日食べるべきか…いや、明日にするか…)   「…明日にするか。」 思案しすぎて考えていたことを、つい口に出してしまっていた。   「明日?この団子、明日食べるんですか?団子は早く食べた方がいいですよ?」 左近にも聞こえてしまい、そんなことを言われてしまった。   「分かっている。だが、明日がいいのだ。…だから今日一日はちゃんと保管しておけよ?」 三成はぶすっとした態度で答えたが、左近は特に何も言わずに、団子を持っていった。
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