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このあいだ 森の中
1匹の兎
蛇に襲われ食べられた
愛する君を食べられた
悲しい悔しい切ない
もどかしい憎らしい
愛する君はもういない
神様 神様
なんで僕から
あの子を奪った
なんであの子は食べられた
弱虫泣き虫
小さいからさ
神様 神様
何をすれば強くなる…
何をすれば命守れる…
そんなある時
蛇が目の前 現れた…
冷たい瞳でほくそ笑む
強いものが勝つんじゃない
勝ったものが強いんだ
誰かが言ってたその台詞
僕が勝つことなど
到底ありえない
僕は結局 弱虫だ
慌てて羊の革をかぶった兎
弱虫泣き虫
震えるお耳はどこに向く?
弱さを隠して自分より大きなものの真似をした
羊の革をかぶっていれば
蛇なんかに襲われない
案の定
蛇は驚き逃げていった
今の僕は兎じゃない
蛇より強い羊さん
…振り向けば…
ヨダレだらだら
狼が
腹を空かして牙を向く…
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