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『お父さん・・・お母さん・・・どこへ行っちゃったの?さっきまでそこにいたのに・・・』
誰も居ない空間で幼かった頃の俺がぽつりとそう呟いていた。
結局、俺の両親は俺を迎えに来ることはなかった。
両親は俺へのクリスマスプレゼントと俺だけを残していなくなった・・・いや、死んでしまったんだ。
そして、俺の所に来ていたサンタクロースのプレゼントはそれっきり来なくなった。
しばらくしてからサンタクロースの正体は両親だったんだと思い知らされた。
両親がいなくなった日、サンタクロースに俺が欲しいと思っていたプレゼントを保育園の先生が両親からだと言って俺に手渡してくれた。
なんて残酷な夢の終わり方なのだろう・・・。
『どうして、どうして・・・』
心の中にその言葉だけが渦巻いていた。
幼かった俺が、真実を受け止めるには荷が重かった。
『どうして、神様・・・お父さんとお母さんを連れてっちゃったんですか?・・・クリスマスプレゼントなんていらないから、お父さんとお母さんを返してください』
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