虚無

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───ふっ 「・・・夢・・・か」 久しぶりの嫌な夢をみてしまった。 もう・・・忘れてしまっていたというのに。 そのあとに何かがあったような気がするが、思い出したくもない気分だった。 さっき見た夢だけでもう、うんざりだった・・・。 俺の身体を嫌な汗がまとわり付いている。 「・・・シャワー浴びてくか」 学校へ出掛けるまでまだ時間はある。 嫌な汗と苦い想い出を少し熱めのシャワーが流し去っていく・・・。 想い出は全て流されていく訳ではないが、少しでもあの時の痛みが消えていくような気がしていた。 『これでいい・・・これでいいんだ・・・』 頭の中でそんな声が聞こえる。 俺の心の声が・・・。 シャワーが俺の嫌な汗と、苦い想い出と・・・そして溢れ出した涙を流していった・・・。
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