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ただわかることはあの石棺に関わってはいけない気がする事だけ。
とても嫌な予感がする。
開けるべきではない――
「ごめん。なんでもない」
母の悲しそうな顔に咄嗟に謝る。
再び幸せそうな顔に戻って、中身についてああだこうだと予想しながら子供のように話す母を見ていると、これでいいかという気になってくる。
そう自分を納得させているのかもしれない。
妙な引っ掛かりはやはりまだ心の何処かには残っていた。
その時はまだ気づいていなかった…
この石棺が杏奈にもたらす血塗られた運命を…
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