悪夢

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杏奈が佇む場所は自分の姿さえ見えないほどの深い闇の中… ああ…またこの夢か… そう思った時普段とは違う光景が浮かび上がった。 暗闇の中に誰かが立っている。 後ろ姿では判断できない。 それは男なのか女なのか…? 「誰?」 ………… 返答はない。 「あなたは誰?」 その人物が何も言わずに振り返る。 顔立ちはとても整っていて、一目見ればどんな女の子でも惚れてしまうであろう美貌だった。 銀の髪に冷たい印象を受ける銀の瞳の男。 杏奈はその男を見た瞬間、急に恐ろしくなった。 何故か今にも逃げ出したい衝動に駆られたのだ。 だが足は動こうとしない。 ―――オマエコソダレダ?
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