悪夢

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今日は母が研究に参加する日。 朝の4時だというのに、階下ではばたばたと騒がしい音が聞こえる。 「お母さん?忙しそうだね…」 「起こしちゃった?ごめんねぇ…昨日楽しみで寝れなくって…」 「遠足前夜の小学生みたいだよ?」 クスクスと笑いながら、忙しそうに走り回る母を見る。 「それじゃ行ってくるわね。 今日は帰ってこれないと思うから夕飯は適当に食べてね。あ、お母さんが居ないからって彼氏連れ込んじゃだめですからね?」 おどけたように言いながらそのままドアを出て行く。 「そんなことしないって。ほら、さっさと行って」 笑いながら母を見送る。 見送りながら先程の言葉を反芻する。 「『彼氏』かぁ…」 今まで彼氏なんて欲しいと思った事がなかった。 これは負け惜しみではなく本当だった。 何故か昔から杏奈は色恋沙汰とは無縁だった。 「あ、もうこんな時間だ。今日は学校行かなくてもいいかなぁ」 睡眠不足のせいでものすごい倦怠感に襲われ何もする気が起こらない。 部屋に戻りベッドに腰掛ける。夢のことは忘れ、もう一度寝る決意をする。 「睡眠不足はお肌に大敵なんだから!!」 自分に言い聞かせるように呟いて杏奈はもう一度眠りにつくことにした。
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