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母と杏奈は二人きりの家族だからとても仲がいい。
物心ついたときから父親は居なかった。
だけどそれを寂しいと思ったことは一度もなかった。
それは、自然と明るい母が杏奈を寂しい、悲しいといった感情から遠ざけてくれていたから。
母は杏奈の自慢の母親で、憧れでもあった。
仕事の事となるとちょっと変人だけど…
時間を持て余し、徐にテレビをつけるとあの石棺のことを報道していた。
イタリア、ヴァチカンから直ちに引き渡すように要請があった。
母のメールに書かれていた通り、ニュースはそのことについて大々的に取り上げていた。
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