荊の契約

神の子

女が笑った気配がした。

「出てきなさいよ！！大体…人と話をする時に姿を現さないなんて失礼にも程があるでしょ！！
バカにするのもいい加減にしてよ！！」

気づくと杏奈は叫んでいた。

―――相変わらず…
礼儀を知らないわね…
私に命令するんじゃない…

暗闇をくぐり抜け一人の女が現れる。
女は金髪に冷たい銀の瞳を見下すように杏奈に向けていた。

まるで汚いものをみるように。