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「何……のこ…と??」
女の目に射すくめられ言葉が出て来ない。
やっとのことで一言を絞り出す。
―――忘れてるのなら都合がいい…そのまま忘れていなさい。あの人は私が頂くわ。
元々…あの人は私のもの。
私はあの人の妻として作られたんですもの。
女は口を歪めて微笑む。
目の前の女を見ていると何故かわからないが怒りが沸々と沸き起こる。
そんな杏奈を気に止める様子もなく女は話続ける。
プチンと何かがキレた。その瞬間恐怖なんて言う感情はなくなっていた。
「うるさい!勝手にすればいい!
私には何も関係ない事よ!これ以上私に関わらないでっ!!」
―――いいわ。勝手にさせてもらう。だけどね…その言葉忘れないようにね
後悔しても知らなくてよ
アハハと笑いながら女は姿を消した。
女が姿を消すと同時に杏奈はさっきまでいたリビングに戻っていた。
「何……今の…夢…!?」
何が起きたか頭は理解できないでいた。
夢だと思いたい。
だけど夢ではないという確信があった。
微かに体が震えている。
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