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杏奈は買ってきた夕飯を食べるための準備をしていた。
一人だと何をするにも面倒になり食事はスーパーのお惣菜などになってしまう。
いつもは母がいるため静かすぎるなんて事はなかったが、母が例の石棺の研究に参加して一週間…
静かすぎるこの空間に寂しさを覚えていた。
ピッとテレビのリモコンを押し電源をつけ、おもしろい番組を探す。
キッチンの方でレンジが鳴り、杏奈を呼んでいた。
「ごはんごはん~♪」
小走りにレンジへ向かう。
その時だった…
「…っきゃぁぁっ!!!」
ドンッという衝撃を受け、全身に激痛が走る。
体を氷が貫いたような感覚に襲われ、足から力が抜ける。
咄嗟に傍にあったソファの背を掴み体を支えたのでそのまま倒れる事は免れた。
だが、その瞬間ですら体には鋭い痛みが走り頭の芯がキリキリと痛む。
目を閉じると、今まで経験したことのない記憶が目まぐるしく頭の中を駆け巡る…
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