覚醒

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―――人間など嫌いではなかったか? そう言って目の前の男は形のいい唇を歪める。 「嫌いなものかっ!!あれは私のお母さんよ!!よくもお母さんを!! この化け物!!」 言いながら涙が溢れる。 ―――母…? おかしなことを… クックッとのどを鳴らして笑うカインに怒りは頂点へ達する。 「何がおかしいのっ!!お前は私のお母さんを……!!」 そこから先は言葉が出なかった。 涙が頬に伝って行く。 ―――お前に母は居ない… 500年前私と出会った時からお前は孤児… お前には私しかいないんだよ。 ニヤリとと笑いながら杏奈の頬に伝う涙を指で拭いながら首筋に指を這わす。 体をぞくりと冷たいものが走る。 「500年前…??何を言っているの…?」
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