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柊家は去年、母の通勤に便利なように勤務先である大学の近くに引っ越した。
この春から杏奈もその大学に通っていた。
母が考古学の講師だからと言って娘も同じ道を進むとは限らない。
杏奈は残念なことにまっったく歴史に興味はなかった。
過去を振り返って何が楽しいのか…
杏奈は英語を選考していた。
将来のためにはこっちのほうが役立つと考えたから。現実的なのである。
【それにしても…あの石棺…】
今は杏奈の大嫌いな考古学の時間…授業が面白くない上、講師も最悪だった。
その為、杏奈は今朝のニュースのことを思い返していた。
一度見ただけなのにその模様まで鮮明に思い出せる。
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