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「そん…な………」
琴音もまた状況を理解し、絶望的な声をもらした。
ふと、足下に何かが落ちている事に気付いた。
そしてソレは飛び上がり、悠斗の首に引っ掛かった。
幽霊娘のペンダント。
ペンダントは羽を羽ばたかせ、悠斗をグイグイと漆黒の鳥居の方に引っ張っていく。
冗談じゃない。
正に四面楚歌だ。
だが、化け物の親玉らしき巨大な黒いドラゴンが何かとんでもない物を吐き出そうとしているのを見て、気が変わった。
ドラゴンが吐き出すのが、今日の朝御飯ではないのは確かだと思う。
それはそれでかなり嫌だが……。
ここに居れば……死ぬ。
そして今、悠斗は1人ではない。死ぬ訳にはいかない。絶対に。
導くペンダント
誘う黒ローブ
退路を塞ぐ異形
「あ───!! どいつもこいつも!!! そんなに行って欲しけりゃ行ってやるよ!!!!」
漆黒の鳥居の向こう側へ──…
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