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「う…ん?」
少年が起き上がる。
そしてキョロキョロと周りの風景を見回した後、まるでダンディーな中年のようなため息を吐いて、悟りを開いたような目で空を見上げ、ポカン…と固まった。
すると隣で呻き声がした。少女が起きたのだ。
「……私達…生きてるの? 悠斗君………?」
周りは見覚えの無い密林。
不安になった琴音が隣の悠斗を見ると、悠斗はさらに不安になる表情で空を見ている。
「……?」
なんだろう? と、琴音も空を見上げ、目を点にし、ピシリと固まった。
まだ明るいにも関わらず、太陽の横に月が見える。
と初めは思ったのだが、違った。
太陽が2つあるのだ。
そして、2つの太陽の光で輝く空を、すずめ感覚で当然のように飛び回る……ドラゴン。
他にも妙な形の生物が飛んでいる。
「な……」
すると一匹のドラゴンが悠斗達を見つけ、下降してきた。
「ななな……」
どっと冷や汗が吹き出し、悠斗は琴音を抱き上げ、逃げ出した。
「なななな…なんじゃこりゃ───────!!!!??」
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